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第3回IATSS国際フォーラム(GIFTS)

2017年11月17日(金)に第3回 GLOBAL INTERACTIVE FORUM ON TRAFFIC & SAFETY シンポジウムが無事に終了いたしました。多くの皆さまにお越しいただき、誠にありがとうございました。
今後ともご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

ごあいさつ

国際交通安全学会は、1974年の設立以来、交通とその安全に関する研究調査を中心とした活動を通じ、望ましい交通社会の実現を目指して参りました。その間、世界の交通を取り巻く環境は大きく変貌し、次世代の交通社会をデザインするためには、環境・エネルギー・自然災害・社会福祉など諸領域において、世界の地域特性や文化的な背景を踏まえて実践的な取組みが必要と考えられます。
当学会は、このような観点に立って、学術を超えてすべての交通関係者が参画する「超学際性(Transdisciplinary)」を重視し、異なる地域・国との持続的な「共創」に向けて、国際的な討議の場であるGIFTS (Global Interactive Forum on Traffic and Safety)を毎年定例開催しています。
第三回目となる本年は、「公共空間と交通文化」をテーマに掲げ、都市における公共空間の役割がもたらす交通の機能向上について、交通計画、都市デザインの専門家をお招きし、具体的な実践例を紹介していただくと共に内外の有識者、実務者の方々にも参画いただいて討議をいたします。
是非とも皆様の積極的なご参画をお願い申し上げます。

国際交通安全学会
会長 武内 和彦
国際フォーラム実行委員会
委員長 大口 敬

開催概要

会議名: 第3回IATSS国際フォーラム(GIFTS)
会場: 国連大学 ウ・タント国際会議場(3F)
〒150-8925 東京都渋谷区神宮前5-53-70
会期: 2017年11月17日(金)
主催者: 公益財団法人 国際交通安全学会

開会挨拶

武内和彦
国際交通安全学会(IATSS)会長 / 地球環境戦略研究機関(IGES)理事長 / 東京大学サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S)機構長兼特任教授

武内会長が開会の挨拶をし、参加者を歓迎するとともに、GIFTS開催に尽力した関係各位および登壇される専門家諸氏に感謝を伝えた。IATSSは40年あまり、交通と安全に関する調査研究などを通じ望ましい交通社会の実現に貢献してきた。 世界で交通をめぐる状況が急激に変化するなか、開発途上国を中心に交通事故が増加し、安全が喫緊の課題となっている。

 

交通文化に加え、地球温暖化、社会格差などの問題への取り組みも求められる。そのためIATSSは、様々なステークホルダーが参画する多様な視点に基づく学際的アプローチを採用し、学術間の壁、学術と社会の壁を取り払っている。国際的な観点からは、交通をとりまく地球的課題に協働で取り組んでいる。

 

IATSSの創立50周年である2024年に向けて開催されるGIFTS 2017は、今回で3回目となる。武内会長は、「公共空間と交通文化」をテーマにした今年のシンポジウムが、望ましい交通社会の実現に寄与することを願うと述べた。活発な討議を祈念して、武内会長は挨拶を終えた。

 

趣旨説明

大口敬
IATSS会員 / 国際フォーラム実行委員会委員長 / 東京大学生産技術研究所教授

大口委員長はまず、講演者と参加者の皆さんへの感謝を述べた。大口委員長は、このシンポジウムでは理想的な交通社会の実現に向けて、社会的・文化的特性の異なる点を重視するとともに、学術以外の交通に携わる人の参画に基づく取り組みが求められていると指摘した。続いて、基調講演を行う専門家の先生およびパネリストの方々を簡単に紹介した。大口委員長は、多様な視点が提示されることを期待し、有意義な討議の場となるよう望んでいると述べた。

 

基調講演 1

David Sim
スウェーデン建築家協会会員 / ゲール・アーキテクツ クリエイティブ・ディレクター兼パートナー

David Sim氏が、「The Human Dimension in Traffic Culture(交通文化の人間的側面)」と題したプレゼンを行った。論点を説明するため、このプレゼンでは数百枚の写真スライドを使用した。交通は、世界の都市の最大の問題とみなされている。むろん交通量などの定量的評価も必要だが、大都市の住民の人間的側面を常に重視する必要がある。これが重要になるのは、交通に関し多様なデータがあるものの、歩行者と市民生活に関するデータは比較的少ないからだ。ジャン・ゲールとイングリッド・ゲールは、市民生活に関するデータ収集とマップ作成に取り組んだ。

 

Sim氏は聴衆に対し、人間と交通の関係を考えるよう促した。人間が路面電車の間を縫って自由に歩くバーゼル(スイス)など、示唆に富む事例を紹介し、 都市には、自身の安全より日常生活に関心がある人が溢れていると指摘した。また東京の代官山周辺で、歩行者、車、その他の車両が路上で共存する様子も紹介した。

 

歩行、自転車、公共交通機関、公共空間がパズルの構成要素と考えられる。Sim氏は最初に歩行を取り上げ、道路を歩いて楽しい場所にするものは何か考えさせた。人との関わり、人生を楽しいものにする公共空間でのちょっとした人との触れ合いなどである。空間設計では、人間はたとえ危険が大きくても、最低限の労力で済む最短ルートを選ぶという事実を含めて、人間の心理を考慮しなければならない。健康と経済面への効果など、自然が果たす重要な役割も考慮すべきだ。病人は緑が目に入ると回復が早まり、きれいな空気の中でのウォーキングは歩行者に大きな健康効果をもたらす。

 

次に成功例として、コペンハーゲンでの公共空間の設計を取り上げた。コペンハーゲンでは1960年代以降、新たな動きにより空間の利用法が変化し、歩行者が優先された。例えば美しい運河沿いの駐車場が、公共空間に変わった。以前はわずか60台の車が止まっていたスペースを、今は数百人の歩行者が楽しく利用している。歩道を拡張し交差点で歩行者が歩く距離を短くするなどの対策は、簡単に実行でき、歩行者優先に大きな効果を発揮する。

 

次に自転車に移り、サイクリストが多い都市は、人間が車内に閉じこもっている都市より親しみやすいと述べた。ただし問題はサイクリングの安全性である。コペンハーゲンは、簡単明快で安全なシステムを採用しており、必ず歩道、縁石、自転車用レーン、縁石、駐車スペース、最後に車道という配置になっている。 これにより歩行者は自転車によって守られ、自転車は停まっている車に守られる。対してニューヨークでは、自転車用レーンが駐車スペースと車道の間に置かれ、安全上の問題を生んでいる。コペンハーゲンのシステムでは4割以上の住民が自転車通勤しており、都心では6割に達する。

 

コペンハーゲンで、自転車を使う理由を調査した。環境への配慮と答えたのは1%に過ぎず、6%は低コストを理由にあげた。20%は健康上の理由と答えた。61%と一番多かったのは、利便性だった。自転車には経済的メリットもある。自動車インフラの保守費用は非常に高いため、自転車で1キロ走るたびコペンハーゲン市はコストを節約できるのだ。デンマークモデルの輸出が議論されており、メルボルンは現在、コペンハーゲン方式の新たな自転車用レーンを設置している。

 

Sim氏は公共交通機関に話を移し、地下鉄への自転車持ち込みを認めるなど、自転車によるイノベーションと公共交通機関を組み合わせれば、大きな経済効果が得られると指摘した。さらに、バス停などのインフラを日当たり良いに人気の場所に設置するなどして、公共交通機関の利用を促す必要がある。

 

最後にSim氏は、公共空間の見直しが欠かせないと強調した。その画期的な例がニューヨークのタイムズスクエアである。ここは以前90%が駐車スペースだったが、タイムズスクエアの利用者の90%が歩行者だった。このアンバランスを正すため、路上にペンキで境界を描き、新たに公共空間を設置した。この安上がりな変更が、大きな成功をおさめた。

 

シンプルで安価な画期的なアイデアが、歩行者の日常生活の質を高める。発想を変えるだけでよいのだ。こうした文化的シフトは日本にも見られ、例えば銀座の大通りは車両通行を禁止している。市民の生活に戦略的な交通文化を取り入れれば、都市も人間の生活もより良いものになるだろう。

 

基調講演 2

太田勝敏
IATSS顧問 / 東京大学名誉教授

太田顧問が、「公共空間と自動車交通文化を考える―自動運転時代の交通安全の文脈から―」と題したプレゼンを行った。未来のテーマに目を向け、あまり注目されていないテーマだが、自動運転に適応できる文化を創る必要があると訴えた。


太田顧問は、歩行者の歩きスマホなどにより、近年の交通行動が劇的に変化して新たな危険を生んでいるとして、公共空間としての街路を主な対象として都市交通計画の視点から、安全・安心な利用、交通文化との関係を考えるとした。

 

続いて太田顧問は、公共空間、交通行動の概念と文脈を説明した。例えば、公共空間という概念自体に違いがある可能性もある。特に歩行者や交通参加者の利用の仕方という観点から、公共空間の概念を再検討する必要がある。交通参加者の行動は、交通文化や地域特性に左右される。

 

公共空間での行動研究の歴史を振り返ると、日本では学際的研究が行われてきた。その最初の例が、1930年に今和次郎が出版した「考現学」である。「考現学」には、人力車などの車両が集まる弘前駅前の交通を示した図が掲載されている。当時のモダンガールの散歩コースや、交通がその行動に及ぼす影響も取り上げている。戦後今和次郎らにより設立された生活学会は、野外観察に重点を置いて「生きる」ことの意味を探求した。近年では張峻屹らが、市民生活行動学として学際的な研究を主張している。

 

続いて太田顧問は、IATSSの研究例としてカー・ボディー・ランゲージ (CBL)をキーワードとした自動車の挙動分析を紹介した。運転挙動には地域差があり、身体や車の装備品を使った地方ルールやマナーが認められること、若い人ほど様々な機器を用いたコミュニケーションを行う傾向があり、彼らは年配者と比べるとわがままで自分本位であることなどを明らかにした。これらは車同士のコミュニケーションV2Vの問題であり、自動運転車AVが普及すると多様な交通参加者間V2Xでも課題となるとした。
次に太田顧問は、公共空間での行動理論として、エドワード・T・ホールが提案した近接学を取り上げた。近接学には、密接距離帯、個体距離帯、社会距離帯、公共距離帯などの概念があり、交通参加者の安全コミュニケーションの分析に重要とした。

続いて日本の工学的な街路計画・設計理論の歴史と現状を論じ、自動車交通機能に偏り、徒歩・自転車や空間機能への対応が進まなかったことを指摘した。また欧米の基本的な街路計画理論として英国のブキャナン・レポートを取り上げ、’都市の廊下’・移動空間としての分散路と‘都市の部屋’としての居住環境地域の分離、道路の機能別階層構造化、3つの基本要因(アクセシビリティ・居住環境・コスト)のバランスなどから成るブキャナン原則の重要性を指摘した。ブキャナン・レポートは、英国の都市に自動車が普及した時期に作成されたもので、自動車の普及は功罪入り混じった課題とみなされた。この「最愛の怪物(beloved monsters)」への対応をめぐる考え方は広く受け入れられたが、実務では車の利便性に基づく政策・計画が進んだ。自動運転車についても、現在同様の研究が必要である。
次に、ピーター・ジョーンズのリンクとプレースの概念が紹介された。リンクとは移動経路としての街路を指し、設計目的は時間の節約にある。プレースとは活動の目的地であり、設計目的は時間の消費にある。現在は、プレースの概念が次第に重視されている。この概念を使って、様々な種類の街路とその用途を分析できる。

 

続いて、欧米の大都市における交通政策に革新がみられるとして、ロンドン、ニューヨークの動向に言及した。ロンドンではサディク・カーン市長が掲げる交通戦略「健康な街路政策」を取り上げた。この戦略は、自転車利用、公共交通の改善、健康、渋滞緩和を重視するもので、2041年までに自動車分担率を36%から20%に削減することを目指している。 人間を中心に据えた同市のビジョンでは、自動車利用の削減、徒歩・自動車・公共交通の利用推進を呼びかけている。米国でも同趣旨の取り組みが見られ、全米都市交通行政官協会(NATCO) は、21世紀における世界レベルの街路デザインのための指針と戦略を提案している。NATCOの都市街路設計マニュアル(Urban Street Design Manual) では都市街路設計の5つの原則を掲げ、街路は公共空間であるとして、人間に対し安全で健康的かつ経済的便益をもたらすインクルーシブな設計を推進している。

 

さらに自動運転をはじめ交通関連の技術革新が進んでいることから新たな対応として交通工学・道路工学に基づく街路の計画と設計に触れ、設計標準車両や乗用車換算交通量などの基本単位の考え方や分析について、提案があった。距離帯別ゾーンや交通事故の分析など、交通行動・交通量の分析へのproxemics理論の援用可能性を指摘した。proxemics理論を援用して交通機能を分析し、派生需要として交通サービスの効率的供給をはかることができる。また空間機能を分析し、本源需要としての時空間サービスを提供できる。これにより安心で快適な時空間を確保し、出会いの機会を最大化する。最後に太田顧問は、交通参加者の行動を数値化して分析する基本単位として時空間占有量(TSO)、その適用例として時空間暴露量の説明をして、現在のトリップの概念を一般化したTSOスロット・ユースによるアプローチを提案してプレゼンを終えた。

 

パネルディスカッション

司会: 古池弘隆
パネリスト: David Sim,
太田勝敏,
Geetam Tiwari,
服部圭郎

最初にIATSS顧問、宇都宮共和大学シティライフ学部教授の古池弘隆教授が、基調講演でのプレゼンに感謝の言葉を述べた。続いて、自動車の登場で交通文化は変化を遂げたが、歩行者の重視を受けてそれが今さらに大きく変化しつつあると指摘した。自動運転の導入に伴い、新たな変化が起こるだろう。太田顧問の表現を借りれば、この新たな「オートサピエンス」の時代の生き方を探らねばならない。

 

IATSS海外招待会員、インド工科大学(IIT)デリー校土木工学部の Geetam Tiwari教授が、「街路と公共空間―都市を貫く道路(アグラ)」と題したプレゼンを行った。東南アジアなどの途上国では、新たな都市が建設されている。これは、新たなやり方を試すチャンスだ。Tiwari教授は、小さな都市を貫く国道の写真を紹介した。この国道は本来の機能と全く違う使われ方をしている。多機能道路になっており、車の数はさほど多くなく、歩行者や自転車が行き交っている。車と歩行者は分離されておらず、道路を共有する危険な状態だ。

 

続いてTiwari教授は、空間利用の例を紹介した。行動調査の結果、道路と公共空間を整理するための提案が作成された。しかしこの提案は実行に至らなかった。決定権を持つ人々は、自動車こそ発展の象徴と思い込んでいるからだ。そのため、道路の実際の使用法と決定権を握る人の考え方の間に、隔たりがある。事態を改善するには、設計以外の要因も重要だという認識に基づき、コンセンサスを得るための解決策を探る必要がある。

 

明治学院大学経済学部の服部圭郎教授が、「日本の公共空間における自転車文化」と題したプレゼンを行った。教授によると、世界的に人間の行動には類似性があり、それを変える方法に関心があるという。大都市での自転車利用に関する統計データが紹介された。コペンハーゲンに次いで大阪が2位だった。チェスター・リーブスは著書『世界が賞賛した日本の町の秘密』で、日本の高い自転車利用率とそれを促す都市構造を称賛している。

 

しかし不法駐輪を批判する看板や、自転車専用レーンの整備不足など、日本政府は市民の自転車利用を推奨していない。自転車利用者を犯罪者扱いするせいで、人々は法律を無視し、専用レーンがあっても歩道を走行している。様々な障害にもかかわらず、日本人の自転車保有率は非常に高くなっている。

 

古池教授が基調講演をされた先生方に、基調講演とショートスピーチへの感想を求めた。Sim氏はTiwari教授が紹介した写真に触れて、最高速度100㎞/hはこの道路の使われ方を考えると不適切だと指摘した。服部教授のスピーチに関しては、デンマークでも自転車普及に必要なプロセスに理解を得るのに苦労したと述べた。オランダは車文化が脆弱なため成功したものの、他の国では自動車業界のロビー活動が活発だという。さらにSim氏は、車を持たない人の方が可処分所得が高いことや、自転車文化に変化が起きていて、富裕層が自転車志向に傾く一方で貧困層は今も車を使っていることを指摘した。古池教授は、デンマークの高い自動車利用率から教訓を得られると述べた。さらに、世界的な自転車でのヘルメット装着率の違いにも触れた。

 

Tiwari教授は、歩行者・自転車のためのプロジェクトは「安っぽい」とみなされ、説得力に欠けるため資金を集められないと指摘した。資金を得るため、この種のプロジェクトのパッケージングを見直す必要がある。さらに彼女は、様々なインフラの必要性も訴えた。Sim氏は、市民のロビー活動も企業のロビー活動に劣らず重要な役割を果たすと指摘した。交通関連省庁は多くの場合、変化に脅かされている。デンマークで優れたインフラが整備されたのは、自転車が超党派的な目標とみなされたからだ。ニューヨークのマイク・ブルームバーグ前市長をはじめ多くのリーダーが、自転車利用と交通環境の改善を世界的に支持している。

 

太田顧問は、技術変化だけでなく価値変化の役割も強調した。自転車自体が改良されていて、車輪が小さく、跨ぎやすい構造とし、買い物カゴや駐輪用スタンドをつけた簡便で女性も使いやすくなったことから自転車利用が増えた。環境・健康志向など価値体系の変化について解説した。

 

Sim氏の先ほどの指摘を受けて、服部教授が、ホンダは車でなくモビリティを販売すると主張している点に触れた。様々な交通ソリューションを販売するというのだ。さらに教授は、日本に古くから根づく自転車への態度を見直す必要があると指摘した。Sim氏によると、自動車メーカーの間では「モビリティ」を売るという発想がトレンドになっている。自動車メーカーが販売する電動自転車はゲームチェンジャーで、プラス、マイナス両方の変化を生んでいるという。

 

古池教授が、会場に議論への参加を呼びかけた。

 

最初の発言者は、道路の使い方は政治的判断だとして、必要な変化を起こすためどうすれば政治家を説得できるかとたずねた。Sim氏は、政治家の最大の目標は次の選挙に勝つことなので、統計データを戦略的に利用して説得力ある主張を生み出せると指摘した。その一例がニューヨークで、ブルームバーグ市長は公共空間を広げ、比較的少ない自動車が独占していた空間を減らすことで、歩行者にやさしい環境を作った。こうした問題は、国家レベルより地方政治と密接に関わるという。Tiwari教授は、途上国で歩行者が安全な環境を強く求めない理由を調査したと述べた。ある参加者が、貧しい歩行者は都市では歓迎されないため、強く要求できないのだと指摘した。太田顧問は、ニューヨークのインフラ整備へのジャネット・サディク・カーンの貢献に触れた。Sim氏は、段階的な変化を実現する上で、公務員が縁の下の力持ちとして重要な役割を果たしていると強調した。

 

二番目の発言者が、オランダは自転車で有名だが、10年前まで安全性に関し正確なデータがなかったと指摘した。事故データから自転車のマイナス面が認識され、道路安全と公共空間の見直しにつながった。この発言者は、もし他の国がオランダの例に従うなら、一定の配慮が必要だと述べた。古池教授もこれに同意し、報告されていないが世界で多くの自転車事故が起きており、この点を考慮に入れるべきだと指摘した。

 

閉会挨拶

鎌田聡
IATSS専務理事

鎌田専務理事が、素晴らしいアイデアを出し活発に議論を交わして下さったスピーカーの先生方、会場の皆さま方に感謝してシンポジウムを閉会した。鎌田専務理事は、世界で急激な変化が起こる中で、このシンポジウムのような交通安全への学際的アプローチの重要性を訴えた。最後に、自転車をめぐる課題に関する詳細な議論、11月18日に開催されるワークショップ、IATSSの重要な研究調査活動などに触れて、挨拶を終えた。

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