ブックレットNo.2

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62年)や「子どもの権利条約」(一九八九年)などの国際的な合意に、その基礎をみることができる。この立場からは、就学状況や男女格差の改善といった教育機会の拡大や、教育の質的な向上といった課題が主として設定....

62年)や「子どもの権利条約」(一九八九年)などの国際的な合意に、その基礎をみることができる。この立場からは、就学状況や男女格差の改善といった教育機会の拡大や、教育の質的な向上といった課題が主として設定されている。 これら二つの視点を比べると、前者が開発にとっての教育の役割を重視するのに対して、後者は教育そのものが開発であるとみなしている。その一方、第三の視点は、教育と開発の間の関係性についてどちらかに主軸を置くのではなく、客観的に理解しようとする見方である。この視点においては、二つの対立するアプローチが存在する。すなわち、教育と開発の関係に正の相関を見出す「近代化論」にもとづくアプローチと、途上国の位置づけを国際的な従属・搾取の関係から理解する「従属理論」からのアプローチである。前者のアプローチでは、教育が経済成長に必要な人的資本を増加させるという考え方が分析的に提示され、援助機関などによる国際教育協力に大きな影響を与えてきた。それに対して後者のアプローチでは、国際的・国内的な従属・搾取関係を転換させることなく教育拡大を行っても、途上国の従属がさらに進む結果になるだけであると批判している。 教育開発研究は、途上国における教育開発という現象を、これら3 つの視点からみることによって理解しようとする学問である。ただし、これらの視点はそのいずれかのみを選ぶべきというわけではなく、各研究者がそれぞれの教育開発研究を進めるうえで、研究対象とする国や社会の政治的、経済的、社会的、文化的な文脈に沿って、複数の視点を組み合わせる