研究調査

research study

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多様なモビリティに関するアーリーアダプターの協調走行促進に関する研究

プロジェクトリーダー:井料 美帆
年度:2025年, プロジェクトナンバー:2501A

背景と目的

持続可能な脱炭素社会の実現に向け,歩行者や自転車に加えて,新たに電動小型モビリティの活用が期待される。しかし一般的に,新たな技術を普及初期段階で利用するアーリーアダプターはリスク選好が高いことが知られている.モビリティの運転者がとるリスクはリスクに慎重な他の道路利用者にも影響を及ぼすため,社会的受容上の課題が大きい。これは普及の目覚ましい電動キックボードのみならず,新たなモビリティに共通の課題といえる・
本研究は,リスク選好の高い利用者にリスクを自覚させ,協調走行を行わせるための方策の提案を目的とする.リスクを客観視するための危険挙動抽出手法や,心理的アプローチによる動機付け手法の構築を目指す。

期待される成果

期待される成果は,①モビリティに設置ないし利用者のスマートフォンに搭載されたセンサや映像等から危険挙動を抽出できるAIシステムを構築することで,利用者が自分の行動を客観視するツールとする。また,②安全走行に対する報酬/危険走行へのペナルティの付与等により利用者の動機づけを促進することで,安全意識を高め,協調走行するための方策の提案を見込む。
今後電動キックボードより車体の安全性が高いモビリティが開発されたとしても,アーリーアダプターの安全意識の低さによる危険運転がモビリティ自体の安全性評価に影響を与える懸念がある。免許不要な乗り物では教育を義務付けることもできず,安全に関心のない人に安全への動機づけを行う方策が必要である。この検討にはIATSSの各プロジェクトで培ったモビリティの走行データ収集技術,各種教育プログラムの知見の活用が重要となり,本学会で取り組むにふさわしいテーマといえる。

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