研究調査
research study
中心・周辺視野の脳部位の同定と交通安全への適用に関する研究
プロジェクトリーダー:呉 景龍
年度:2005年, プロジェクトナンバー:H741
背景と目的
運転者(歩行者)が周辺視野で現れる歩行者(車両)への認知判断は交通安全の重要な要因となっている。すなわち、広い視野範囲(中心・周辺視野:広視野)での認知特性に関する研究は交通事故の減少に強く要求されている課題である。
いままで周辺視野の脳内活動部位が検討されず、本研究では認知心理学実験とfMRI (functional Magnetic Resonance Imaging)を用いて広視野特性を定量的に計測し脳部位の同定を行う。さらに、周辺視野特性と交通事故について調査研究して、得られた成果を交通安全への適用を検討する。
期待される成果
(1) 広視野特性の認知心理学実験の実施と結果解析
従来の視野計測装置を改造して動体視野計を用いて視野の明るさ、色などの依存性を定量的に計測し、さらに若年者と高齢者の動体視野特性の差異についても計測・解析する。
(2) fMRI実験を用いて中心と周辺視野の脳内活動部位の同定
MRI(高磁場)環境で広視野刺激呈示装置を製作し、中心と周辺視野の脳内活動部位を計測する。得られた脳内活動画像データを専用ソフトを用いて解析し、脳部位の同定を行う。
(3) 広視野特性と交通安全についての調査検討
ドライバーの周辺視野特性と交通事故について調査研究し、得られた基礎研究成果を交通安全への適用を検討する。