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第7回IATSS国際フォーラム(GIFTS)

2021年11月18日(木)に第7回 GLOBAL INTERACTIVE FORUM ON TRAFFIC & SAFETY シンポジウムが無事に終了いたしました。
当日の様子はIATSS YouTubeチャンネルにて公開しております。是非ご覧ください。
今後ともご支援のほど、よろしくお願いいたします。

開催概要

会議名: 第7回GIFTS 国際シンポジウム
会場: オンライン開催
会期: 2021年11月18日(木)
主催者: 公益財団法人 国際交通安全学会

開会挨拶

武内和彦
国際交通安全学会(IATSS)会長
公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)理事長
東京大学特任教授

国際交通安全学会の武内和彦会長が、第7回国際フォーラムGIFTS(Global Interactive Forum on Traffic Safety)への歓迎の辞と、国際道路連盟および国際協力機構の支援に対する謝辞を述べ、「交通文化の多様性と安全な社会の形成 ~ Common Visionを目指して ~」をテーマとしたGIFTSは、交通と交通安全に関する研究を通じて望ましい交通社会を実現するべく開会された。

 

国際交通安全学会(IATSS)が1974年に設立されて以来、世界の交通を取り巻く環境は劇的に変化し、交通事故による年間死者数は120万人を超え、さらに増加の一途をたどっている。地球温暖化、持続可能な都市開発、社会的格差の是正などの幅広い分野にも増して、この問題に対処する必要がある。GIFTSは地球的規模での安全、交通文化という観点の重視、学際的アプローチ、世界で継続的に共同討議の場を持つことの4つの長期的方針に取り組んでいる。

 

国や地域ごとの交通政策の背景事情、政策目標の優先度に関する考え方を幅広く理解し、措置や政策に関する活発な議論につなげる必要性を強調するとともに、シンポジウムの参加者による積極的な参加と協力への期待を表明した。

 

趣旨説明

中村彰宏
IATSS会員 / 国際フォーラム実行委員会委員長
中央大学教授

国際フォーラム実行委員会委員長を務める中央大学教授の中村彰宏氏は、超学際的な観点から交通安全について議論すべく、オンライン会議に参加するすべての参加者に謝意を表した。

 

IATSSはさまざまな観点から交通社会の性質を理解しようと努めており、そのため6回にわたりGIFTSを主催しており、過去のシンポジウムでは、英国、オランダ、スウェーデン、デンマーク、インド、南アフリカ、エジプトを含む各国からの参加者のほか、世界銀行、世界保健機構、アジア開発銀行などの国際機関で現場経験を持つ人々が参加し、幅広い視点と経験に基づく多くの知識を共有した。

 

昨年のシンポジウムのテーマは「交通文化の多様性と安全軽視行動」で、交通文化について議論し、道路利用者の行動と道路安全に関わる人々の活動について検討した。参加者は、世界中の国が協力して交通安全文化に対する理解を深め、交通事故を減らすべきとの意見で一致することができた。

 

これらの議論に基づき対応を進めるため、IATSSはGRATS(交通・安全における国際研究協調)というプラットフォームを作り、その成果として「交通事故を減らすための共通のビジョン」を提示した。今年のテーマは「交通文化の多様性と安全な社会の形成 ~ Common Visionを目指して ~」であり、交通事故を減らすための共通のビジョンに向けてのこれまでの議論を踏まえたものとなっている。

 

基調講演1

森本章倫
早稲田大学理工学術院 社会環境工学科 教授 博士(工学)、技術士(都市及び地方計画)

森本章倫氏は、IATSSの交通・安全における国際研究協調(GRATS)のプロジェクトリーダーとして、「交通安全の概念的枠組み:国際比較と日本における今後の課題」をテーマに講演した。

 

森本氏は、交通事故による死者数が135万人に達し、全年齢における死亡原因の第8位になっていることに触れ、この交通事故による死者数は、依然として許容できない高水準である。

 

日本では、技術とシステムの大幅な向上により、1966年以来交通事故による死者数は減少傾向にあるが、交通事故をさらに減らすためには、交通安全文化からのアプローチが必要である。

 

また低・中所得国は、共通のビジョン、指標、安全システム、交通安全文化を見定め、増加傾向にある交通事故を防止する枠組みに従うべきである。

 

安全システムのアプローチは、「交通事故による死亡者や重傷者をゼロにする」というミッションを掲げている各国で採用されており、これは技術的アプローチをベースとしたものであり、交通事故による死亡者・重傷者を1人も出さないと宣言するスウェーデンのビジョン・ゼロのように、交通事故を減らすための包括的システムを採用している。日本も交通事故のない社会を目指しており、安全システム全体計画では、ヒューマンエラーは完全には避けられず、すべての人が共通の責任を共有して安全な環境を築くべきだとした。

 

安全な交通社会というこのビジョンに向けて評価すべき指標がいくつかある。事故が起こりやすいパターンの発見、運転者の能力と健康状態を把握するための検査、被害者への迅速な対応の提供、将来の安全介入に寄与する評価の提供などであり、これらの指標は、交通安全の3Eの原則、すなわち教育(Education)、工学的手法(Engineering)、法の執行(Enforcement)に基づいて策定されたものである。

 

これらの指標に基づく枠組みとGRATSの調査が示すように、交通安全文化は人々の行動に影響を与え、交通事故の発生に影響する。この枠組みでは、安全速度、安全な道路利用者、安全な自動車、安全な道路などの安全システムアプローチを推進しており、そのような安全システムのアプローチは、スウェーデンのビジョン・ゼロ政策、オランダの持続可能な安全、オーストラリアの交通安全戦略で採用されている。

 

国連総会とWHOは、「グローバルプラン:交通安全のための行動の10年(2021~2030)」を発表した。これは、交通事故による死傷者を50%以上削減することを目標として、法の執行、教育、工学的手法の3Eと緊急医療(Emergency)および総合的な安全システムのアプローチを組み込んだものである。

 

この枠組みで安全システムの導入に次ぐ最も基本的なレベルは、交通安全文化の採用で、米国は、交通安全文化とは「競合する目標やニーズよりも安全への責任を示す共通の価値、行為、行動」と定義している。このような文化を安全システムや変革的リーダーシップと組み合わせることで、本質的により安全で自己強化型の社会への永続的な変化につなげることができる。

 

社会が徒歩から鉄道、自動車へと変化するのに伴い、交通事故は増加してきた。次のステップは、MaaS(Mobility as a Service)やAIなどのシームレスなICTによって実現される人間中心の交通システムである。自動運転車や自転車がパーソナルモビリティを提供し、それらのシステムを都市計画や環境計画などの広範囲の公共政策に結びつけることができる。

 

日本政府は、「究極的には、交通事故のない社会、世界をリードする交通安全社会の実現に向けて大きく飛躍することを目指す」という基本理念を掲げた、第11次交通安全基本計画を開始しており、これは、24時間死者数が2,000人以下の世界一安全な道路交通の実現を目指すものである。これを受けて、JICAは2030年までに対象国の交通事故死傷者数を半減させるという国際的な目標に貢献すべく、4Eを通じて「交通安全プラットフォーム」のコンセプトを実践している。このような取り組みは、「グローバルプラン:交通安全のための行動の10年(2021~2030)」と連携をとり、学術界、市民社会、若者などすべての関係者を巻き込んで共通の目標へと向かい、交通安全情報の発信源になろうとするものである。

 

IATSSは理想的な交通社会の実現に貢献するため、交通安全の概念的枠組みを作るべくGRATSを創設した。交通安全の枠組みは、誰も取り残さない安全な交通社会を作り出すため、政治レベル、科学レベル、実務レベル、市民レベルなど、あらゆるレベルで採用される必要がある。

 

基調講演2

ニコラス・ウォード
モンタナ州立大学教授、安全衛生文化センター長

モンタナ州立大学教授で安全衛生文化センター長のニコラス・ウォード氏は、「交通安全文化とビジョン・ゼロへのロードマップ」というテーマについて講演した。

 

ウォード氏は、将来の事故を予測・防止する可能性を伝えるため、交通事故をAccidentではなくCrashと呼ぶよう交通安全用語を変えることを提案した。安全システムのアプローチは、積極的な交通安全文化にかかっており、社会的環境が安全システムのアプローチの成功をどのように後押しするかを考慮しなければならない。

 

第一に、交通安全文化は道路利用者に影響を与える。例えば、社会がスピードを重視する傾向にあるのは、それが時間の節約になるから、またはスリリングだからであり、このような文化は、人気映画やスピードをたたえるような自動車のコマーシャルなど、私たちが作り出すものにも表れている。

 

第二に、交通安全文化は交通安全の利害関係者の行動に影響を与える。安全システムのアプローチは、利害関係者間の協力にかかっており、利害関係者がそれぞれの分野のサイロを離れ、他の分野の関係者と協力しようとする文化を共有しなければ、安全システムを創造し維持することはできない。

 

協力を可能にするには、異なる文化や利害関係者の間で共通の用語や概念を持つことが、特に交通安全文化、安全システムアプローチ、ビジョン・ゼロの概念においては重要である。それによって、アイデンティティを超えてコミュニケーションし、協調することが可能になり、一体感を交通安全に生かせる。

 

強力な交通安全文化を重視することは、ビジョン・ゼロを採用する動機にもなり、交通安全文化は、道路利用者の行動や利害関係者の活動を変容させるプロセスとしても生かすことができる。前向きな文化の枠組みには、計画立案とアドボカシー、文化の評価、共通の目的の確立、機会の優先順位付け、戦略ポートフォリオの開発、戦略の試行と修正、戦略の実施、有効性とニーズの評価といったステップがある。

 

前向きな文化の枠組みを実現するための研究ロードマップでは、計画立案と環境面のアドボカシー、基準データ、メッセージ策定、コミュニケーションプラン、資料のパイロットテストと修正、キャンペーンの実施、そして何よりも重要な評価など、さまざまな要素を検討する必要がある。

 

パネルディスカッション(セッション1,ショートスピーチ)

馬奈木 俊介
九州大学工学研究院教授、九州大学都市研究センター長、主幹教授

コーディネーターの九州大学教授の馬奈木氏が各講演の内容について要約し、講演者とパネリストを紹介した。

 

ソームズ・ジョブ
Global Road Safety Solutions社CEO兼社長

Global Road Safety Solutions社CEO兼社長のソームズ・ジョブ氏は、交通安全の文化について話した。同氏は、心理社会的エビデンスが示すように、人の行動に最も影響を与えるのは性格ではなく状況であると指摘した。また、文化は交通安全の管理に影響を与え、さらにそれが道路環境に影響を与え、ひいては道路利用者の行動と結果に影響を与えることにも注目すべきである。日本には強力な文化と交通安全、優れた安全評価、物理的な交通防護柵があり、システムが十分に発達している。

 

究極の目標は、死亡者・重傷者数の削減を優先し、次にすべての負傷をなくし、最後は事故ゼロの社会を実現することである。

 

安全システムは文化の影響を受け、逆に文化は安全システムの影響を受ける。安全システムを支える文化を創造するには、政治的意思がきわめて重要であり、文化と抑止によってある程度リスクは軽減できるが、完全にではない。したがって、正しい文化と正しいシステムが調和して機能する必要があり、道路安全文化を重視することは、これらすべての実現に役立つ。

 

ジョージ・ジアニス
アテネ国立技術大学(NTUA)教授

アテネ国立技術大学教授のジョージ・ジアニス氏は、交通安全文化の変化を促すきっかけとしてのオープンデータについて話した。事故の性質は大陸によって異なり、交通安全文化も多様である。交通システムの発達レベルも、交通経路も異なり、これらの経路は統一されているとは限らず、豊かな国の方が貧しい国より優れているとは限らない。

 

このため交通安全文化を実現するには、指標と記録された行動データを使ったシステムアプローチが必要であり、指標には、測定値のモニタリングと安全措置および有効性の評価を伴うべきである。

 

リスクとリスク要因について推定することにより、リスク認知が高まれば測定値も向上することがわかっている。これにより当局に動機を与え、交通安全文化を強化するうえにおいて、オープンデータが必要であることが浮き彫りになった。ベンチマーキング、グッドプラクティスの交換、交通安全機関の運用、新しい技術の活用などについては国際協力が必要である。

 

安全のオープンデータはすべての人に公開されるべきで、データの処理、分析、公開が必要であり、モニタリングと説明責任は継続的に遂行する必要がある。さらに、モビリティと文化を共に向上させることによって交通安全について考えるべきである。

 

スザンナ・ザマタロウ
国際道路連盟(IRF) 事務局長、ジュネーブ

国際道路連盟(IRF)事務局長のスザンナ・ザマタロウ氏は、IRFとその活動の戦略的な柱である知識、コネクション、アドボカシーについて紹介した。IRFは、IATSS、バーミンガム大学、カタール大学などの組織や大学とノウハウやイノベーションを共有して協力していて、毎年、このセクターのデータを独自に編纂した世界の道路統計を作成している。さらに問題解決のためにさまざまな関係者を結びつけ、意思決定者と共にアドボカシーに携わることで、前向きな変化を起こし世界の課題を前進させている。

 

IRFの交通安全にかかわる業務は、研修と能力開発(中でも交通安全監査と基準の改定)に重点を置いている。IRFはプロジェクトの作業を通じて、このセクターの知識を向上させ、各国の利害関係者と制度的枠組みに力を与えており、さらに、IRFはそのナレッジセンターであるgTKP(www.gtkp.com)を通じて知識の共有を促進している。

 

データによると日本の交通事故死亡者で最も多いのは歩行者で、そのほとんどが、道路横断中の事故で亡くなっている。歩行者の事故死については文化が大きな役割を担うため、変化を起こせる環境を作ることが重要である。

 

ストックホルム閣僚宣言、国連総会決議74/299、10年行動計画(2021~2030)で認められたように、民間セクターが中心的役割を担い、1. 行動変容と実践規範の向上、2. 価値に基づく投資の確立、3. 安全を取り巻くビジネスモデルとエコシステムの開発に優れている。

 

TotalEnergiesとIRFは、協力して民間セクターの利害関係者を動員し、世界中の交通安全への取り組みを支援するべく連携させており、その目標は、民間企業の連携による実践的で効果重視の拡張性ある活動を通じて、道路の安全性を大幅に向上させることである。

 

この連携とそれに伴うコラボレーションによって、交通安全への取り組みによる影響を最大化できる。また異なる専門分野におけるベストプラクティスとノウハウを共有することにより、コストを共同で負担でき、影響力のあるプロジェクトを遂行するための労力の重複を最小限に抑えることができる。IRFは現在、世界中で民間セクターの交通安全にかかわる連携を築いていて、ドライバー研修と意識の向上に重点を置いている。Women on Wheelsプログラムは、コラボレーションが複雑な問題に対する革新的な解決策を生み出せることを示す優れた例の一つであり、このプログラムは女性のトラック運転手を採用、訓練することにより世界的なトラック運転手不足の問題に対処し、多様性と受容を支持し、さらには女性の方が男性運転手より最大で4倍の安全性であるという点で、交通事故による死傷者の削減に貢献する。

パネルディスカッション(セッション2,ディスカッション)

コーディネーター: 馬奈木 俊介
パネリスト: ソームズ・ジョブ
森本 章倫
ニコラス・ウォード
ジョージ・ジアニス
スザンナ・ザマタロウ

コーディネーターは事故抑制を測定する方法、交通違反を犯す傾向を抑制する方法とそのためのガイドライン、ビジョン・ゼロへの道のりについて問題を提起した。また、事故ゼロを目指すのは素晴らしい目標だとするオーディエンスからのコメントを紹介した。

 

ジョブ氏は、事故抑制とデータを測定する方法は複雑だが実現可能だと述べ、この点について、アフリカでは多くの国際組織が交通安全機関と共に懸命に取り組みを進めており、データと問題の理解に役立っているとした。しかし低所得国には事故や経済的損失のデータがなく、アフリカは自動車台数が最低水準であるにもかかわらず、交通事故による死者数が最悪である。さらに、交通安全は良識ではなく科学的証拠に基づくべきであるとした。

 

性別による差については死亡者の70%が男性であるが、これは単に男性ドライバーが多いことよるものではなく、女性ドライバーの方が男性より大きな事故が少ないのは事実である。一部の国では女性はまだ運転を許されていないため、平等と交通安全のため、この点については早急に変化が必要である。

 

森本氏は、各発言者のコメントを要約した後、共通のビジョンについて意見を寄せていただいたことに感謝の意を表した。

 

ウォード氏は、産業界と職場を交通安全活動に巻き込むことが、職場や広く社会が交通安全に向き合うのを後押しすると述べた。企業は環境に関する社会的責任には目を向けているが、従業員のコミュニティにおける交通安全の影響も認識できるはずであり、職場に強力な交通安全文化を創造することが、コミュニティ全体にその文化を伝えるよう従業員を促すことにつながるとした。

 

ジアニス氏は、交通規則が守られないのは、事故に遭遇する機会が少なくリスクに対する認識が低いためだと述べ、道路利用者には、法の執行と教育により理解を促す必要があるとした。法の執行は一時的なものであるが、教育には長期的な効果があり、低額の罰金を科す機会を増やしたり、親を教育したりするなど、法の執行と教育の両面でシステムを築くことで、リスクの認識を高めることができる。民間セクターはフリート管理においてきわめて効率的で、これらのフリートに影響を与えれば、道路交通全体のかなりの部分を改善できる。問題を解決するには、道路を建設し自動車を作るだけではなく、移動パターンの改善、公共交通機関の利用、あらゆるレベルにおける協力も必要である。

 

コーディネーターは、「グローバルプラン:交通安全のための行動の10年(2021~2030)」について、交通安全がSDGsや温室効果ガス削減といった他の目標と同等の地位を得るには、どうしたらよいか質問した。

 

ジョブ氏は、死亡者の93%を低・中所得国が占めているため、それらの国に重点を置くべきだと指摘した。また資金援助を受けて資金提供、交通安全研究、助言を行っている世界的な交通安全組織は3つあり、世界道路交通安全パートナーシップ、世界銀行世界交通安全ファシリティ、国連交通安全基金である。しかしこれらの機関が計画を実現するには、資金が大幅に不足しており、MDBでさえ交通安全業務に十分な資金がない。必要な財政投資は多額に上るため、政府は資金を拠出して規制を決断しなければならず、単に民間セクターや道路利用者に責任を帰すべきではない。多くの場合、安全介入に投じた投資の収益率が1000%にもなることがわかっており、この数字は政府が行う他の投資の収益率を上回ることから、交通安全は優れた投資先である。

 

森本氏は、東京に見られるように土地利用の方向性が重要だと述べた。東京はほとんどの移動が公共交通機関で行われるため、最も安全な場所であり、これは安全な社会につながる。また森本氏は、IATSSが50周年を迎えるにあたり、事故ゼロに向けたロードマップに沿って前進することがきわめて重要になると話した。

 

ウォード氏は、低・中所得国では先進国とさまざまな要因が異なるため、それらの国を対象とした削減策が必要だと述べた。それらの国では交通システムが拡大しているが、高所得国の犯した過ちを避けるため、ベストプラクティスを導入すべきと述べた。

 

ジアニス氏は、低・中所得国で事故が増加しているため、それらの国々は速度の抑制、すべての大切な利用者の交通と保護など、安全な移動パターンに重点を置くのに最も適していると説明した。

閉会挨拶

鎌田聡
IATSS専務理事

国際交通安全学会(IATSS)専務理事の鎌田聡氏は、多くの国から参加を得た第7回GIFTSシンポジウムの講演者と参加者に謝意を表すとともに、イベント支援組織に対して謝辞を述べた。

 

シンポジウムでは、交通文化の多様性を考慮しつつ国際協調による安全な交通について話し合い、おなじみの講演者らが、道路交通安全文化の実現に向けた概念的枠組みに関する議論を進めた。鎌田氏は、交通安全へ向けた前進は学際的、実践的な研究と幅広い協力によってなされること、この目的のためにIATSSがGIFTSの枠組みを継続していくことを再確認した。

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