ブックレットNo.2

ブックレットNo.2 page 60/72

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58自律を促すとともに、教育格差の拡大や学歴競争の激化などの問題を引き起こしている。とくに、教育制度や教育行政の整備が十分に進んでいない途上国においては、国際機関や先進国の支援を受けながら、一般的に先進....

58自律を促すとともに、教育格差の拡大や学歴競争の激化などの問題を引き起こしている。とくに、教育制度や教育行政の整備が十分に進んでいない途上国においては、国際機関や先進国の支援を受けながら、一般的に先進国で行われている教育施策をモデルとして導入せざるを得ない状況がみられる。 基本的に、市場原理の経済思想にもとづく新自由主義は、公共部門に対する国家の関与・介入を限定的なものにすることを求めている。そして、新自由主義の台頭に伴い富の再分配機能が国家から市場に譲渡されつつあるなか、国家の相対化が進み、国家と国民個人の関係性が変質し、「自立・自律した市民」が「自己責任」をもって競争社会を生き抜いていくことが期待されるようになってきた。そうしたなか、資金、財、労働力、技術などが自由に移動するグローバル資本主義において、経済や文化が国際化し、移民などが増加するといった現象が起こることに伴い、多文化共生の教育の必要性が高まり、民主主義の発展と公共モラルの育成を求めて「市民性の教育」が多くの国で推進されるようになっている。 しかし、それと同時に、社会制度や政治体制がいまだに脆弱な多くの途上国においては、多文化・多民族・多言語な状況をしばしば有するということもあり、教育を通した国民統合やナショナル・アイデンティティの涵養が不可欠になっている。このことは、新自由主義のイデオロギーにもとづく教育改革が、しばしば国家主義的な思潮と相互補完的な関係を保ちながら推進されるという状況を生み出している。また、実際の教育政策の策定過程や実施現