ブックレットNo.2

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Yuto Kitamura途上国の教育普及と教育開発研究の役割-教育を通して「市民」を育てる-61による研究活動も活発化してきている。 教育開発研究では、途上国の教育セクターにおけるアクセス、公平性、公正さ、質、適....

Yuto Kitamura途上国の教育普及と教育開発研究の役割-教育を通して「市民」を育てる-61による研究活動も活発化してきている。 教育開発研究では、途上国の教育セクターにおけるアクセス、公平性、公正さ、質、適切性(relevance)、効率性、費用・財政などの諸領域を対象とした研究が行われている。しかしながら、多くの途上国ではこれらの領域のいずれにおいても深刻な問題を抱えており、そのなかから優先的に取り組むべき課題を抽出し、それらを政策に落とし込み、教育現場での実践へと結びつけていく作業は容易ではない。そのため教育開発研究には、研究成果を活かして実際の教育制度、教育行財政、教育内容、教育方法などの状況を改善するために、途上国の教育政策や教育現場に対して一定レベルの実践的な貢献をすることが期待されている。 このような教育開発研究には、「開発のための教育」、「教育の開発・発展」、「教育と開発」という三つの視点をみることができる。 第一の視点は、途上国の社会経済開発の基礎をつくるための教育の役割に焦点をあてている。とくに人的資本論に代表される経済成長重視の立場からは、質の高い教育を効率的に普及させ、優れた人材を育成することが、国家や社会の経済開発を進めるためには不可欠であるという考え方が優勢になっている。 第二の視点は、教育を基本的な人権と捉えることで、教育それ自体に普遍的な価値があると考える見方である。こうした視点は、性別、年齢、人種、出自などにとらわれず、公平な教育機会へのアクセスをすべての人に保障するという理想を掲げた「世界人権宣言」(一九四六