東日本大震災特別プロジェクト
概要研究調査
ご挨拶|研究のコンセプト|プロジェクトの進め方|メンバー一覧
ご挨拶
武内和彦
東京大学大学院
農学生命科学研究科教授
国連大学副学長
「交通」を起点に、学際的観点から復興ビジョンを描く
このたびの東日本大震災および、その後に続いた大津波は、東北地方の沿岸部を中心に甚大な被害をもたらしました。犠牲になられた方々のご冥福を、心よりお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に対しまして、改めてお見舞いを申し上げます。
公益財団法人 国際交通安全学会では、本年4月、特別プロジェクト『震災危機管理と安全・安心な交通社会の実現に関する総合的研究』を立上げ、「交通」の問題を中心に、被災地の復旧・復興のあり方を幅広く検討する研究活動を進めております。
今回の大災害は、短期的な復旧から長期的な復興、都市部の課題から農山漁村部の課題まで、多様かつ複雑な問題を投げかけており、このように複合的な問題に対処するためには、学際的なアプローチが不可欠となります。
そのため、本プロジェクトでは、自然科学・社会科学・人文科学の専門家の英知を結集し、「交通」の問題を起点に、東北復興の短期的、長期的な道筋を多様な観点から検討すると同時に、国際的な観点からも問題提起を行い、広く社会に問いかけてまいりたいと考えております。
関係各位のご支援・ご協力をお願いすると同時に、東北の復旧・復興に関わる皆さま方に、ぜひ本プロジェクトに関心を寄せていただき、当学会の知見を復旧・復興の現場でお役立ていただきますよう、お願い申し上げる次第です。
研究のコンセプト
本プロジェクトの最大の特徴は、これからの震災危機管理と、安全・安心な地域社会のあり方を学際的に検証する点にあり、その中でとくに重視する着眼点として、次の3つのキーワードを掲げています。
- ●キーワード
- 「resilience」、「redundancy」、「compact connected」
- 具体的には、以下の4つの「テーマ群」と、3つの「機能群」で構成され、各領域をクロスさせて多面的に検証することで、復旧・復興に求められる幅広い論点整理を行っています。
- ●テーマ群
- 「非常時の交通・地域マネジメント」
- 「非常時の人間・社会セキュリティ」
- 「都市の交通・環境インフラ復興」
- 「農山漁村の交通・環境インフラ復興」
- ●機能群
- 「危機管理・震災復興のための法・政策システム」
- 「危機管理・震災復興のための経済・流通システム」
- 「国際社会に向けた情報発信」
- その中では、「交通」の問題が中核的テーマとなりますが、それだけに捕らわれず、復旧・復興のあり方をより総合的に検証し、トータルな復興ビジョンの提示ならびに、多様な観点からの具体的な提案・提言を、詳細に検討してまいりたいと考えています。
プロジェクトの進め方
本プロジェクトは、平成23年度末を一つの区切りとし、その成果を世に問うことを目指して取り組んでいますが、その間、より多くの方々と議論を深める場として、ワークショップ等を開催し、そこで発表された研究成果を随時公表して、復旧・復興の現場で役立てていただけるよう配慮しています。
ワークショップの日程等は、詳細が決まりしだい本サイトで発表いたします。
メンバー一覧
総括代表者 | 武内和彦 | 会員 | 東京大学大学院農学生命科学研究科教授(国連大学副学長) |
〃 代行 | 林良嗣 | 顧問 | 名古屋大学大学院環境学研究科教授 |
一ノ瀬友博 | 会員 | 慶應義塾大学環境情報学部准教授 | |
今井猛嘉 | 会員 | 法政大学法科大学院教授 | |
加藤一誠 | 会員 | 日本大学経済学部教授 | |
岸井隆幸 | 会員 | 日本大学理工学部土木工学科教授 | |
北村友人 | 会員 | 上智大学総合人間科学部教育学科准教授 | |
久保田尚 | 会員 | 埼玉大学大学院理工学研究科環境科学社会基盤部門教授 | |
関根太郎 | 会員 | 日本大学理工学部機械工学科准教授 | |
竹内健蔵 | 会員 | 東京女子大学現代教養学部国際社会学科経済学専攻教授 | |
谷川武 | 会員 | 愛媛大学大学院医学系研究科公衆衛生・健康医学分野教授 | |
中村文彦 | 会員 | 横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院教授 | |
森本章倫 | 会員 | 宇都宮大学大学院工学研究科地球環境デザイン学専攻准教授 | |
蓮花一己 | 会員 | 帝塚山大学心理学部心理学科教授 | |
高橋正也 | 特別研究員 | 独立行政法人労働安全衛生総合研究所上席研究員 |